保護者の皆様 いつも大変お世話になっております。
公認心理師・芸術療法士の橘直美です。
普段は茶話会で皆様と公認心理師としてお話しさせていただいております。
今日は芸術療法士として、音楽療法についての簡単なお話と、児童発達向けの楽曲リストをご提案してみたいと思います。
音楽療法
と聞いてイメージするのは、「モーツァルトを聞くと明るい気分になる」とか、「あの曲を聞くと昔を思い出して悲しくなる」など、音楽を聴くことによる効果を思い浮かべるかと思います。
これは受動的音楽療法と言い、緩和ケアで患者さんの思い出の曲を演奏したり、介護施設でのレクリエーションなどで使われたりしています。その他、自分で演奏に参加したり、歌唱したり、即興セッションしたりする能動的音楽療法などさまざまな方法があります。
歌唱することによる効果もさまざまです。
例えばドイツの大学入試、アビトゥーア(Abitur)で吃音のある学生が口頭試問を受ける際にすべて歌唱で行ったという例があります。
普通に話すと吃音が出てしまい不利になるが、会話を音楽にのせて話すとスムーズに話せるため、試験監督者も全て会話を歌唱で行ったそうです。
うまく発音ができない構音障害の原因は色々ありますので、言語聴覚士さんの指導を受ける必要がありますが、「あー」など母音の引き延ばしが苦手、「パパパ」など単音節の繰り返しが苦手、「パタカパタカパタカ」など3音節の繰り返しが苦手など運動障害性構音障害などにも歌唱が有効ではないかと思っております。研究なさっている方もいらっしゃいます。
児童発達向け楽曲リスト
今回は歌唱することによる療法効果を試してみるという例をご紹介いたします。
どんな歌が効果的かと探してみましたところ、ずいぶん前に放送されていたポンキッキーズの歌にいくつか見つけました。
実は30年以上前ドイツに住んでいた頃、2歳半の息子の日本語の発音がちょっと変になってきたなと思い、毎日ポンキッキーズの歌を歌わせてよくなった記憶があります。
今回のリストには「構音障害に良さそう」だけではなく、「知識が身に付きそう」「学校生活のソーシャルスキルトレーニングになりそう」「ダンスや体操に使えそう」「体感音響(身体で音を感じる)に使えそう」という分類をつけてあります。
このリストについてはまだエビデンスは取れていませんので、皆さまももしご興味がありましたら、お子さんと歌唱なさってみた感想を是非お聞かせいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
En.療育ラボ保護者支援部